診療看護の最前線で学ぶ
藤田医科大学大学院は、中部地方で初となる診療看護師(NP)専門の大学院コースとして開設しました。
長年の実績に裏付けられた質の高いカリキュラムでこれまでに多くの診療看護師(NP)を輩出しています。
カリキュラムのねらい
すべての特定行為が
実践できる
診療看護師(NP)へ
医療分野の進化と患者ニーズの多様化に伴い、高度な医学的知識と実践的なスキルを備えた診療看護師(NP)への需要が高まっています。この背景を受け、藤田医科大学院の急性期・周術期分野では、診療看護師(NP)としての「専門性と自立性を高める教育」を提供しています。
本コースでは、特定行為に関する研修制度の教育基準に準拠したカリキュラムを採用。フィジカルアセスメント、病態生理学、臨床薬理学、特定行為実践などを体系的に学び、「21区分38行為にわたる特定行為が実践できる診療看護師(NP)の育成」を目指しています。
修了後に受験可能な
専門資格
教育過程の修了後は、日本NP教育大学院協議会のNP資格認定試験に合格することで、診療看護師(NP)として認定されます。
出願資格としては、看護師免許と入学時点での5年以上の実務経験が必要です。
修了後のキャリア例
診療部門へ
部門の核として活躍
- 病態評価や治療計画の立案において中心的役割を担い、医師と緊密に連携。
- 高度な医療ニーズに応えながらチームの中核として活躍。
診療所へ
地域医療の担い手
- 地域社会の一次医療において、総合的なケアを提供。
- 患者の継続的なフォローアップや慢性状態の管理、健康教育を通じた地域への貢献。
大学教員へ
看護教育のリーダー
- 診療看護師(NP)としての豊富な経験を活かし、次世代の看護師に専門知識と技術を伝授。
- 臨床研究を推進し、看護学の発展に寄与。
カリキュラムの特徴
特徴 01
すべての特定行為が学べる
- 入学後2年間を通して全21区分38行為の修了認定に必要な症例を学ぶ機会がある。
- 診療看護師(NP)として必要となる幅広い技術を習得。
特徴 02
現場で学べ、実践力が高まる
- 現役の診療看護師(NP)と臨床医からの直接指導により、実践的なスキルと医学知識を修得。
- フィジカルアセスメント、病態生理学、臨床薬理学などの実践的な科目を学習。
特徴 03
多角的な臨床経験と
学習機会を得られる
- 内科、外科、救急、集中治療室、手術室など多様な診療科での臨床実習。
- クリティカルケアからプライマリーケア、在宅医療に至るまでの広範な知識を習得。
特徴 04
看護基礎教育と先進的な
学習方法の採用
- 1年次には生理学、フィジカルアセスメント、薬理学などの基礎医学を重点的に学習。
- クリティカルケアからプライマリ―ケア、在宅医療に至るまでの広範な知識を習得。
カリキュラム詳細
(講義・演習36単位、臨床実習19単位:約1300時間)
臨床実践に向けて
全体像を段階的に学べる
診療看護師(NP)になるには、以下のステップが必要です。
-
- 1.基本経験
- 最低5年の看護師経験が必要。
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- 2.大学院入学試験の合格
- 診療看護師(NP)に向けた専門教育を開始。
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- 3.講義と演習
- 1年目には、医学的視点や思考過程を含む必要な知識を学ぶ。
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- 4.臨床実習
- 2年目は実践的な研修を通して、医師との協働やチーム医療の役割を経験。診療看護師(NP)としての将来像を形成。
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- 5.修士論文の研究
- 医学的内容やNPに関連したテーマでの課題研究。研究は各専門分野の医師が指導教員となり、医学的研究の基礎を学ぶ。
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- 6.NP資格試験の合格
- NP教育大学院協議会が実施する試験に合格することで、診療看護師(NP)として認定される。
科目一覧
科目名 | 学習内容 | ねらい | 単位数 |
---|---|---|---|
フィジカル アセスメント |
患者の身体的状態を評価する方法 | 患者の健康状態を正確に把握する能力の向上 | 2 |
病態生理学特論 | 疾患の生理学的メカニズム | 疾病の原因と進行を理解する | 2 |
臨床薬理学特論 | 薬剤の作用機序とその臨床使用 | 適切な薬物治療の知識と判断力の獲得 | 2 |
薬物治療学 | 薬物の選択と治療計画 | 効果的かつ安全な薬物治療の実施 | 2 |
クリティカルケア学 特論 |
重症患者の管理と治療 | クリティカルケアにおける高度な知識と技術の習得 | 2 |
外科医療病態 診断学特論 |
外科疾患の診断プロセス | 外科患者の評価と管理の技能向上 | 2 |
総合内科学特論 | 内科疾患の包括的理解 | 広範な内科疾患への対応能力の強化 | 3 |
外科患者管理学特論Ⅰ | 外科手術前後の患者管理 | 手術患者への全面的なケアの提供 | 3 |
外科患者管理学特論Ⅱ | 高度外科療法への対応 | 特殊な外科治療への対応能力の獲得 | 3 |
急性期患者管理学特論 | 急性期患者の総合的な管理 | 急性病期における包括的ケアの提供 | 3 |
在宅医療特論 | 在宅での医療提供 | 家庭での医療ニーズに対応する能力の獲得 | 1 |
急性期・ 外科患者管理演習 |
様々な病態の患者管理 | 臨床場面での実践的スキルの向上 | 2 |
在宅医療特定行為実習 | 在宅での特定医療行為の実践 | 在宅医療における具体的な対応力の強化 | 1 |
急性期・ 外科患者管理統合実習 |
実際の臨床場面での総合的な患者管理 | 総合的な臨床能力の実践と評価 | 19 |
急性期・ 周術期課題研究 |
課題に基づく研究と発表 | 臨床研究能力の向上と問題解決スキルの獲得 | 5 |
科目ピックアップ
代表的な科目の詳細をご紹介
総合内科学特論
臓器別に系統的な疾患論の知識を修得します。
内科系分野では特に心・肺の急性期疾患の理解に重点を置き、的確な病態把握と適切な処置・治療選択のための知識修得を目指すのと同時に、乳幼児から老年までのライフサイクル全般を理解します。
急性期・外科患者管理演習
2学年からはじまる統合実習の前段階として、ペーパーペイシェントによる演習や人模型などを用いてシミュレーション演習を行います。なかでも実習レベルの客観的臨床能力試験(OSCE・オスキー)を取り入れているのが特色です。
グループワークやグループディスカッションを通して、問題解決能力や適切な対処が行える力を養成します。
急性期・外科患者管理統合実習
医師の包括的指示のもと、急性期・周術期にて一定範囲の医行為を担うための実習を行います。
統合外科、心臓血管外科・呼吸器外科、救急・ER、麻酔・集中治療をローテートするほか、学生の希望に応じて脳神経外科、整形外科などを選択することも可能。質量ともに厚生労働省が進める「看護師の特定行為研修制度」を凌駕した内容となっています。